科 目 名:卒業研究IおよびU                   科目英文名:Undergraduate Research Program I and U

担 当 者:応用化学科各教員

授業(形態):専門科目(研究)                    単位(区分):計8単位(D)

 

[科目の主題と目標]

 卒業研究は4年間の集大成の科目として位置づけられている。卒業研究の指導を受けるものは、各研究室に配属されて研究を行う。この研究活動を通して、化学技術者として必要な問題設定能力、種々の学問・技術の総合応用力、実験技術、継続的に計画し、実施する研究能力、問題解決能力、発表能力およびコミュニケーション能力を養成することを目的としている。

 この科目は主に応用化学科の学習教育目標の(E)に関連する。

 

[成績評価の方法及び基準]

主体的に研究に取り組む姿勢(E-1)、理論などに対する理解力(E-2)、論理的思考能力(E-2)、実験結果に対する洞察力(E-2)、論文作成能力(E-3)、プレゼンテーション能力(E-3)などに対して、以下の資料より総合的に評価する。なお、評価は研究成果を対称とするのではなく、学習教育目標に対する達成度を対象として行う。

1 実験ノート 

2 研究経過報告(卒業研究中間報告を含む)の記録

3 セミナー評価表

4 卒業研究課題の社会的影響に関するレポート

5 卒業研究発表

6 卒業論文

 

[各研究室の内容]

 

米澤研究室(応用物理化学)

 物理化学は物理学の理論を基礎とし、また物理的測定方法を利用し、物質の構造、物性、化学的性質、化学反応などを研究する科学の一部門であって、個別化学の統一的、理論的基盤を提供し、また化学と物理学、生物学、地学、数学などを結びつけて境界領域の諸問題を研究する方法論を構築する役割を担っている。工業物理化学分野では、新規物質・材料合成、構造・物性評価、化学反応解析の教育・研究をすすめている。卒業研究にあたっては、物理化学の独自性と学部学生の教育水準を顧慮して、配属生に物質の構造・物性・反応を原子・分子レベルで理解するうえで基礎となる量子力学、統計力学の基礎学力を充実させること、および最新の物質計測・解析技術を修得させることに特に配慮している。具体的なテーマをあたえ、関連する先行研究・文献調査法の修得、欧文学術論文読解力、プレゼンテーション能力、デスカッション能力の涵養をはかる。

 主要卒業研究課題は以下の通りである。

1.高温高圧流体、イオン性液体の物理化学、反応工学

2.有機色素の分光学的性質、励起動力学、増感作用

3.金属微粒子、半導体微粒子合成の反応化学、光機能、光触媒作用

 

 

辻研究室分光分析化学)

 材料の物性はその材料を構成する元素(種類と存在量)や構造に起因するところが大きく、極微量の元素であってもデバイスの機能発現を大きく左右することがある。よって、材料開発研究を進めるにあたり、その材料を分析する必要が生じてくる。そこで、特に微量元素分析と微小部元素分析を2大目標として機器分析法の改良、各種試料への適用方法などの研究を行う。分析装置は少しずつ改良されており、新しい分析法の出現は科学全般の展開に影響を与え得る。学生の皆さんの斬新なアイデアが活かせる研究分野でもある。卒業研究にあたっては、分析法一般の理解を深め、最新の機器分析法(X線分析、電子線プローブマイクロアナリシス、放射光実験、走査プローブ顕微鏡など)の習熟についても配慮する。具体的な研究テーマに関して、関連文献の調査法、実験計画の立案・遂行、研究成果の発表方法に関して指導する。

 主要研究課題は以下の通りである。

1.全反射蛍光X線分析による大気環境試料の微量分析、マイクロ化学チップへの適用
2.ポリキャピラリーX線レンズを用いる微小部蛍光X線分析、3次元元素分析
3.斜出射電子線マイクロアナリシス、原子間力顕微鏡とX線分析

 


 小槻研究室(無機工業化学)

 無機工業化学分野では、学部での基礎知識を実践的な知識体系へと組み込むことを主眼として、知恵を育みながら嬉々として研究室での生活を行うことのできる基本的な研究姿勢を付与することを目的としている。特に電気化学、無機化学、固体物理化学、セラミックス、計算機化学を融合した新たな分野の開拓に必要な事象を取り上げた実験系を設定し、それを展開することによって有用機能の発掘とその解明を通じて上記目的に適った各人各様の個性を発揮できるように口頭による説明、討論、研究発表および報告書作成、卒業論文作成などを通じて将来必要な意思伝達能力の技巧を指導する。

 主要研究課題は以下の通りである。

1.酸素電極触媒に関する基礎研究(1.23ボルト酸素・水素燃料電池を目指して)

2.次世代リチウムイオン蓄電池用リチウムインサーション材料に関する研究

3.電解析出反応に関する基礎研究(特殊金属合金メッキ・金属酸化物薄膜形成を軸として)

 

 

畠中研究室(分子触媒化学・有機合成化学)

 有機工業化学分野の重要課題である環境調和型触媒反応、および新反応場の開発を目標として研究を行っている。特に、有機典型金属化合物を用いるルイス酸触媒の創製や遷移金属触媒の開発に力を注ぎ、その基礎となる有機合成化学と触媒化学および有機金属化学について知識・実験技術の向上を図るとともに、新触媒の開発に必要な有機金属化合物の合成法と同定法、触媒反応の実施方法と生成物の単離同定法、さらには不斉合成反応への応用について、具体的なテーマを設定して学習・研究する。また、関連文献・資料の調査法の修得や発表能力・コミュニケーション能力の発現にも力点を置く。

 主要研究課題は以下の通りである。

1.有機典型金属化合物やブレンステッド酸を触媒とする新反応の開発と有機合成への応用

2.環境調和型合成反応を目指した新しい反応場の開拓

3.新規な構造を有する遷移金属錯体触媒の開発

 

 

圓藤研究室(制御重合化学)

卒業研究では、高分子化学分野の合成と構造物性に関する未解決問題に挑戦しそれを解決する方法を見出すことを目標としている。新規高分子化化合物の合成・構造解析ならびに高分子の諸性質の解明を研究に関して具体的なテーマを設定して、高分子化学・構造および物性の基礎学力の向上をはかり、高分子合成方法の習得、高分子化合物の構造解析、高分子諸性質の測定と解析能力を習得させる。さらに、課題関連文献・資料の調査法の修得や研究結果の発表についての能力を身に付けるよう指導する。

主要研究課題は以下の通りである。

1.ジエンモノマーの精密重合

2.環状ジスルフィドの重合と生成ポリマーの性質

3.マイクロ空孔内でのビニルモノマーの重合

 

 

松本研究室(高分子合成化学)

高分子合成化学分野の中心的な役割を果たしているラジカル重合を中心にして、従来の高分子合成、重合化学とは異なる革新的な高分子材料合成や有機材料設計に関する研究を行っている。特に、環境調和型の高分子合成反応の開発に主点をおき、有機結晶の固相反応による材料設計、結晶工学による分子構造や結晶構造ならびに固体材料の機能設計、トポケミカル重合による高分子構造制御、分解性高分子やゲルの合成と応用などを行い、関連する有機化学、高分子合成化学、材料化学の基礎学力の向上を図ると同時に、実験を通じて物質の構造決定や物性評価の方法についても学習する。研究を通じて、関連文献、資料の収集、必要となる文献情報の検索・調査、データの取り扱い、プレゼンテーションやコミュニケーションの能力について修得する。

主要研究課題は以下の通りである。

1.             高分子結晶工学に基づく固体有機材料の設計

2.トポケミカル重合による高分子構造制御と反応設計

3.ラジカル反応ならびに重合の機構解析と反応制御

4.             環境調和型有機合成ならびに高分子合成反応の開発

 

 

小畠研究室(有機材料化学)

卒業研究では、光に応答して構造・物性・機能が可逆的に変わる分子材料の設計、合成および評価に関する研究を行っている。具体的には、次世代のエレクトロニクス分野やフォトニクス分野で応用が期待される電子材料、表示材料、記録材料などの開発を中心に、有機結晶材料・高分子材料の設計を行うとともに、有機化合物の合成操作、物質の構造決定や物性評価の方法について学習する。研究課題に関連する物理化学、有機化学、光化学、分析化学などの基礎学力の向上を図るとともに、関連する文献や資料の収集、必要となる文献情報の検索・調査、データの取り扱い、コミュニケーションや研究発表方法に関して指導する。

主要研究課題は以下の通りである。

1.             光機能性有機結晶材料の開発

2.             有機フォトクロミック結晶の構造と光反応の制御

3.             光表示機能を有する有機分子材料の開発